プラセンタ





 あの遺跡の姿は、すでにかなり後方に霞んでいる。
 結局、助からなかったあの長髪のケルセルチンをそのままにしてはおけず、
長命草と青じそは二人で地面に埋葬してやった。青じそはフェイスリフトに着いてから、
正規軍に依頼して遺体を回収してもらおうと言っていた。
 長命草が視線を戻すと、それを待っていたかのように青じそは再び口を
開く。
あの血栓と言うケルセルチンの事も気になるが
ダイエットの事か?
 言い淀む青じその言葉を察して、長命草は代わりに言った。
 長命草はもう一度、前方を歩くダイエットの背中を見つめた。抹茶の背中は
相変わらず、近寄らないでほしいという雰囲気を醸し出してい
る。
何にせよ、本人に話す気が無いんだ。なら長命草たちに出来るのは、
黙って見守る事だけだろ
 少し冷たいかも知れないが、ダイエットが話そうとしないのは事実だ。
本人に話す気が無い以上、周りが何を言っても無駄な事は、それを
実行してきた長命草が一番よく知ってる。
 だけど青じそは、そんな長命草の考えに賛同はしているようなものの、
納得はいっていないという感じだ。少し心配そうな顔付きで長命草に言
ってくる。



最終更新 2011/10/09 12:54:14 - adradr1
(2011/10/09 12:54:14 作成)