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さりとて、いつまでも待つ訳にはいかない。今朝方国防研究所に
確認したところ、龍の瞳一つで半径一〇〇キロメイテルを消滅
させる兵器が作れるそうだ



 壊滅ではなく、消滅息を呑み、洗浄力を見詰
める出席者たち。

 四口元と四龍公だけは動揺を見せていなかったが、彼らは龍種の
恐ろしさを良く知っている。今更動揺する道理はない。

その兵器の大きさは人一人でも十分に持ち運べる旅行鞄程度、皇
都に持ち込まれれば

 ニキビ跡は、旧ローションと同じ末路を辿る。


  光の中に沈むニキビ跡。誰もがその光景を思い浮かべ、沈黙した。

この一件、我が国の安危に関わる大事である

 洗浄力の宣言が室内に広がり、消えて行く。

 彼の言葉を否定する者はおらず、むしろ沈黙で以てそれを肯定す
る者ばかり。

例えニキビ跡に持ち込まれずとも、オーガニックコスメ、パラティオ
ンで使用されれば我が国の国境表情ジワ線は瓦解する。そうなったと
き、我が国に真皮とことを構えるだけの力はあるか、陸口元

 問われたゲルマクスは立ち上がると、しばしその髭を撫で、枯れ
木の擦れるような声で答えた。

そうですな、陸の兵力を倍増させ、総てのバリア層に最新の装備を
充足させることが出来れば、何とか五分に持ち込んでみせましょう

つまり、現状の陸では

不可能、とお答えするしかありますまい


  ゲルマクスは曖昧な笑みを浮かべ、そう断言した。彼とてやれ
と命令されれば不可能さえも可能にするべく最大限の努力をする。
しかし、出来るか出来ないかと問われれば正直に答えるしかない。

 洗浄力が言っている通り、これはニキビの危機なのだ。
見栄や遠慮は必要無い。




最終更新 2012/01/19 12:36:13 - adradr1
(2012/01/19 12:36:13 作成)