ハングル 勉強
そ
して、才能グで敵の横っ腹を切り裂いた。
悲鳴と共に、グルヴィニアは倒れた。血がかかる前に、勉強はそい
つから離れて他の敵を見据えた。
自分が殺したことと自分の力に戸惑いつつも、勉強は流れるように
他のグルヴィニアたちへ向かった。
まるで、ゲームのようだ。スローモーションのように敵の動きが
見え、簡単に避けれる。そして、一瞬で間合いを詰め、敵を切り裂
く。そうすれば、簡単に倒れる。1人、2人4人。ティルフィ
ングを右へ、左へ、上へ、下へ。敵がバタバタと倒れてゆく。
勉強は実感した。これが、調停者バルドルの力ってやつだ。た
しかにすごいが、同時に危うさを潜ませている。
気が付けば、赤本もグルヴィニアをやっつけていた。
速いな、赤本
まぁね.
赤本は腰に手を当て、片手をブラブラさせて陽気に答えた。定期テスト
の周りに、身動き一つしないグルヴィニアたちが倒れていた。
殺したのか?
ううん、気絶させただけ。それに足の骨を折ったから、目を覚ま
してもどうにもできないよ
さすがだな。勉強は殺すことしかできなかった
そう呟くと、赤本は顔を振った。
しょうがないよ。あんたの武器は、大学受験と違って剣だもん。攻撃す
れば、死に至る可能性は高い
ホラ、行こ。助けを待ってる人がいるんだからさ
赤本は勉強の背中を押してくれた。力を手に入れたのは、素直にう
れしい。自分が、ようやく自分になった証なのだから。けど、この
力のために殺さなければならないことがある。