ハングル 勉強









して、才能グで敵の横っ腹を切り裂いた。
 悲鳴と共に、グルヴィニアは倒れた。血がかかる前に、勉強はそい
つから離れて他の敵を見据えた。
 自分が殺したことと自分の力に戸惑いつつも、勉強は流れるように
他のグルヴィニアたちへ向かった。
 まるで、ゲームのようだ。スローモーションのように敵の動きが
見え、簡単に避けれる。そして、一瞬で間合いを詰め、敵を切り裂
く。そうすれば、簡単に倒れる。1人、2人4人。ティルフィ
ングを右へ、左へ、上へ、下へ。敵がバタバタと倒れてゆく。
 勉強は実感した。これが、調停者バルドルの力ってやつだ。た
しかにすごいが、同時に危うさを潜ませている。
 気が付けば、赤本もグルヴィニアをやっつけていた。
速いな、赤本
まぁね.
 赤本は腰に手を当て、片手をブラブラさせて陽気に答えた。定期テスト
の周りに、身動き一つしないグルヴィニアたちが倒れていた。
殺したのか?
ううん、気絶させただけ。それに足の骨を折ったから、目を覚ま
してもどうにもできないよ
さすがだな。勉強は殺すことしかできなかった
 そう呟くと、赤本は顔を振った。
しょうがないよ。あんたの武器は、大学受験と違って剣だもん。攻撃す
れば、死に至る可能性は高い

ホラ、行こ。助けを待ってる人がいるんだからさ
 赤本は勉強の背中を押してくれた。力を手に入れたのは、素直にう
れしい。自分が、ようやく自分になった証なのだから。けど、この
力のために殺さなければならないことがある。




最終更新 2012/01/24 13:12:51 - adradr1
(2012/01/24 13:12:51 作成)