ドリブル達




ドリブル達と同じく奇妙な打ち方を
見た2人はここに留まることを決意する。だが、その日の夜に最悪
の事態が勃発する。

 練習場物語赤い雫第一部。苦悩の過去を背負った練習方法とフジ
サキの物語。第二章。

 −狂え、狂え人の優越感を満たしてやるために俺達は狂人を
装わなければならないのだ 

 ??。スライス

 灰色の空だ。

 すべての空間が灰色でできている。
 緑の草も、茶色い土も灰色だ。ただ、土から生えた花だけは血の
ように赤い。
 地面に何本もの十字架が突き刺さっている。
 それはお墓というやつだろう。ピッチングに教えてもらった。

ヒュウヒュウ

 静かに風が吹いた。
 この丘では赤い花が咲き乱れている。風に乗って、花びらが空に
舞い上がる。
 私は花びらを手にとって見た。花は可憐で儚かない。花びらを離
した。
 自由を得た花びらははしゃぎながら灰色の空へと昇っていった。

赤い花は地面に根ずき、生きる証である花を咲かす

 誰かの声がした。
 十字架の墓に誰かが座っていた。黒いコトを着た男だ。金色の
両目が人外の者を想像させる。それでもその顔は整然と私を見つめ





ていた。
不謹慎だと思うか? 確かにそうだな。墓石に座ることは悪いこ
とだ
 黒いコトが風に靡いた。
ここはどこ?
 私は男に聞いた。
世界の始まり。永遠の夢。愚者達の墓。終末の墓域
 男は独り言のように呟いた。
言葉で表すのならいくつもの名前がある。



最終更新 2011/12/03 12:25:06 - adradr1
(2011/12/03 12:25:06 作成)