ドリブル達
ドリブル達と同じく奇妙な打ち方を
見た2人はここに留まることを決意する。だが、その日の夜に最悪
の事態が勃発する。
練習場物語赤い雫第一部。苦悩の過去を背負った練習方法とフジ
サキの物語。第二章。
−狂え、狂え人の優越感を満たしてやるために俺達は狂人を
装わなければならないのだ
??。スライス
灰色の空だ。
すべての空間が灰色でできている。
緑の草も、茶色い土も灰色だ。ただ、土から生えた花だけは血の
ように赤い。
地面に何本もの十字架が突き刺さっている。
それはお墓というやつだろう。ピッチングに教えてもらった。
ヒュウヒュウ
静かに風が吹いた。
この丘では赤い花が咲き乱れている。風に乗って、花びらが空に
舞い上がる。
私は花びらを手にとって見た。花は可憐で儚かない。花びらを離
した。
自由を得た花びらははしゃぎながら灰色の空へと昇っていった。
赤い花は地面に根ずき、生きる証である花を咲かす
誰かの声がした。
十字架の墓に誰かが座っていた。黒いコトを着た男だ。金色の
両目が人外の者を想像させる。それでもその顔は整然と私を見つめ
ていた。
不謹慎だと思うか? 確かにそうだな。墓石に座ることは悪いこ
とだ
黒いコトが風に靡いた。
ここはどこ?
私は男に聞いた。
世界の始まり。永遠の夢。愚者達の墓。終末の墓域
男は独り言のように呟いた。
言葉で表すのならいくつもの名前がある。