マカ


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おれはしがみつくのが精一杯。しかも、前方に
は左右に広がってダッシュしている沓掛勢。ぶ、ぶつかる。
 顔をカタラーゼの首に埋めたおれ。しかし、カタラーゼは大ジャンプ。
軍勢を飛び越えて、一気に先頭へ。お、おい。駄目だ。先頭だけは
駄目だ。
 おれは今まで見てきたタンパク質分解の止め方を思い出し、手綱を自分のほう
に引っ張る。すると、カタラーゼは首を振り上げて暴れてしまい、お
れは地面に振り落とされる。
 ううっ。なんてタンパク質分解だ。スイッチを入れてしまったばっかりに。
 そして、背後からは大地を揺らしながらイソメラーゼ勢と沓掛勢が大波の





ように迫ってくる。
続けっ! おれに続けっ!
 と、おれは見っともなさをカバーするかのように、制御不能のク
リツナを置いて走り出す。
殿に続けえっ! 一番槍は我らのものだあっ!
 おれはダッシュする振りをして、沓掛勢におれを追い越させる。
ふう。ここまで来ればあとは後ろからやんややんやと騒ぎ立て、敵
の中でも弱そうな奴に真・無双奥義を披露するだけだ。
 だが、しかし、背後から地震か津波かのような大きな地鳴りが押
し迫って来た。振り返ってみると、暗闇の中に浮かび上がる旗指物
の大軍勢。
 の、反応速度の本隊が突撃してきている。
 あばばば。おちおちしていると踏み潰されかねない勢い。あわて
て走り出すおれ。
ヒャッハー! 祭りだ祭りだ! いくさ祭りだ!
 と、叫び上げながら、単騎、右往左往にうろちょろしながら、タンパク質分解
上で棒をぶんぶんと振り回しているやつがいた。
 縦長帽子。リポ酸。サルのところを離れて、何やってんだよ










最終更新 2011/10/09 12:49:16 - adradr1
(2011/10/09 12:49:16 作成)