systemd & systemctl
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概要
Fedora15〜では、デーモンの起動管理に従来のSystemV形式のものからsystemdを使ったものに変わっている。systemd環境でのデーモンの起動管理方法のメモ。
ランレベル→ターゲット
systemd環境では、従来run levelというものはなくなり、代わりにtargetというものに置き換えられている。ターゲットはmulti-user.targetのように名前がつけられており、従来のrun level 3に相当するmulti-user.target、run level 5に相当するgraphical.targetなどがある。
話はずれるが、run levelがなくなったので、/etc/inittabも使われなくなった。systemd環境でデフォルトのターゲットを指定する場合は、
ln -s /lib/systemd/system/runlevel3.target /etc/systemd/system/default.target
のように、シンボリックリンクを作成しておく。
/lib/systemd/system/にはrunlevelx.targetという形で、従来のrun levelと互換性が取れるようにファイルが用意されている(実際にはシンボリックリンクでgraphical.targetなどにリンクされている)。
ユニットの制御
systemdではデーモンなどの制御対象のことをユニットとよぶ。ユニットの制御はsystemctlで行う。以下にコマンドの使用例を示す。
ユニットの一覧表示
単純にsystemctlだけで呼び出すと、以下のようにactive(起動状態)のユニット一覧が表示される。
#systemctl UNIT LOAD ACTIVE SUB JOB DESCRIPTION <略> fedora-l...odules.service loaded active exited Load legacy module configu fedora-readonly.service loaded active exited Configure read-only root s fedora-s...t-late.service loaded active exited Initialize storage subsyst fedora-s...e-init.service loaded active exited Initialize storage subsyst fedora-w...torage.service loaded active exited Wait for storage scan ip6tables.service loaded active exited IPv6 firewall with ip6tabl iptables.service loaded active exited IPv4 firewall with iptable
起動していない(inactive状態)ユニットも表示する場合は--allオプションをつける。
#systemctl --all
ただし、--allでもdisabled状態のユニットは表示されない。全ユニットファイルを表示したい場合はlist-unit-filesを指定する。
#systemctl list-unit-files <略> nfs-utils.service static nfs.service disabled nftables.service disabled nginx.service enabled nis-domainname.service disabled oddjobd.service disabled openvpn-client@.service disabled
インストールされている全ユニットファイルとdisabled/enabledの状態が表示される。/sbin/chkconfig --listに近い動作となる。
ユニットの状態表示
ユニットの現在の状態を表示するにはstatusコマンドを指定する。以下はhttpdの状態を表示させた場合。
# systemctl status httpd.service httpd.service - The Apache HTTP Server (prefork MPM) Loaded: loaded (/lib/systemd/system/httpd.service; disabled) Active: inactive (dead) <-- 起動していない CGroup: name=systemd:/system/httpd.service /etc/init.d/httpd status相当
表示からもわかるように、各ユニットの設定ファイル(従来/etc/init.d/に置かれていた相当のファイル)は/lib/systemd/に置かれている。上記、httpdの場合は、/lib/systemd/system/httpd.serviceで本ファイルを修正すれば、起動対象とするターゲットなどを指定できる。
ユニットの起動・停止
ユニットの起動
# systemctl start httpd.service
/etc/init.d/httpd start相当
ユニットの停止
# systemctl stop httpd.service
/etc/init.d/httpd stop相当
自動起動の設定
上記のstart/stopでは、システム再起動時に元に戻ってしまうので、初期状態を指定する場合はenable/disableを使用する。
自動起動On
# systemctl enable httpd.service
/sbin/checkconfig httpd on相当
どのターゲットで自動起動Onにするかは設定ファイル(例えば/lib/systemd/system/httpd.service)の[Install]セクションで指定する。/lib/systemd/system/httpd.serviceでは、以下のようになっているので、
[Install] WantedBy=multi-user.target
multi-user.target(run level3相当)および、graphical.target(run level 5相当)などのmulti-user.targetを必要とするターゲットで自動起動されるようになる。
なお、enableにすると、/etc/systemd/system/<ターゲット名>.wants/にhttpd.serviceへのシンボリックリンクが作成される。
自動起動Off
# systemctl disable httpd.service
/sbin/checkconfig httpd off相当
各ユニットの設定がenable/disableなのかはsystemctl list-unit-filesで確認できる。/sbin/chkconfig --listのような動作をする。
#systemctl list-unit-files
ユニットの追加
新たに自分でユニットを追加したい場合は、loadコマンドで行う。
foo.serviceを/lib/systemd/system/に作成しておき、、、
#systemctl load foo.service
/sbin/chkconfig --add foo相当
削除したい場合は、それらしきコマンドがないのだが、デーモンを止めて、設定ファイル自体を削除してしまえばいいみたい。