プロセスのBlockとWakeup
Rev.8を表示中。最新版はこちら。
プロセスの止め方
プロセスをブロックさせるには、WaitQueueを使ってブロックすれば、まとめてWakeupできる。WaitQueueを使わない場合
1. currentをどこかに保存2. set_current_state(TASK_INTERRUPTIBLE or TASK_UNINTERRUPTIBLE)
3. schedule() - プロセス切替え(ブロック)
wake_up_process()で1.で保存しておいたcurrentを指定すれば起床できる。
WaitQueueを使う場合
WaitQueueのエントリにはwakeup時のコールバックルーチンを指定しておく。本ルーチンを指定すれば、wakeup時に何か追加の処理を行える。通常はデフォルトでいいはず。その1
1. DECLARE_WAITQUEUE()でWaitQueue用のエントリを作成
3. add_wait_queue() - WaitQueueに追加
4. schedule() - プロセス切替え(ブロック)
5. remove_wait_queue() - Wakeupされたら、WaitQueueから削除
wakeup時のコールバックルーチンは
.func = default_wake_function が設定される。
2. set_current_state(TASK_INTERRUPTIBLE or TASK_UNINTERRUPTIBLE).func = default_wake_function が設定される。
3. add_wait_queue() - WaitQueueに追加
4. schedule() - プロセス切替え(ブロック)
5. remove_wait_queue() - Wakeupされたら、WaitQueueから削除
6. set_current_state(TASK_RUNNING) - Running状態にする
その2
1. DEFINE_WAIT()でWaitQueue用のエントリを作成
wakeup時のコールバックルーチンは
.func = autoremove_wake_functionが設定される。
2. prepare_to_wait().func = autoremove_wake_functionが設定される。
指定WaitQueueにエントリを追加
set_current_state()で状態を変更
(通常はTASK_INTERRUPTIBLE or TASK_UNINTERRUPTIBLE)
3. schedule() - プロセス切替え(ブロック)set_current_state()で状態を変更
(通常はTASK_INTERRUPTIBLE or TASK_UNINTERRUPTIBLE)
4. finish_wait() - Wakeupされた時の後処理
__set_current_state(TASK_RUNNING)でプロセスをRunning状態にしている。
wakeup時のコールバックルーチンでWaitQueueからの削除は行われているのでここでは不要
各処理部でその1のような方法で止めたり、その2の方法で止めたりまちまち。その2の方が、Wakup後にWaitQueueからエントリの削除を行なう必要がないので多少楽。
プロセスのRunQueueからの削除はschedule()で行われている。
止めたプロセスの起こし方
WaitQueueを使わずにtask_structのアドレスを保存しておいて止めた場合は、wake_up_process()でtask_structを指定すればよい。WaitQueueを使用した場合は、wake_up()でWaitQueueを指定すればよい。wake_up()には派生ルーチンがあるが、どれもマクロで__wake_up()を使用している(include/linux/wait.h)。
[関連ページ]
WaitQueue