プロセスのBlockとWakeup
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1.プロセスの止め方
プロセスをブロックさせるには、WaitQueueを使ってブロックすれば、まとめてWakeupできる。1.1 WaitQueueを使わない場合
1. currentをどこかに保存2. set_current_state(TASK_INTERRUPTIBLE or TASK_UNINTERRUPTIBLE)
3. schedule() - プロセス切替え(ブロック)
wake_up_process()で1.で保存しておいたcurrentを指定すれば起床できる。
1.2 WaitQueueを使う場合
WaitQueueのエントリにはwakeup時のコールバックルーチンを指定しておく。本ルーチンを指定すれば、wakeup時に何か追加の処理を行える。通常はデフォルトでいいはず。その1
1. DECLARE_WAITQUEUE()でWaitQueue用のエントリを作成
3. add_wait_queue() - WaitQueueに追加
4. schedule() - プロセス切替え(ブロック)
5. remove_wait_queue() - Wakeupされたら、WaitQueueから削除
wakeup時のコールバックルーチンは
.func = default_wake_function が設定される。
2. set_current_state(TASK_INTERRUPTIBLE or TASK_UNINTERRUPTIBLE).func = default_wake_function が設定される。
3. add_wait_queue() - WaitQueueに追加
4. schedule() - プロセス切替え(ブロック)
5. remove_wait_queue() - Wakeupされたら、WaitQueueから削除
6. set_current_state(TASK_RUNNING) - Running状態にする
その2
1. DEFINE_WAIT()でWaitQueue用のエントリを作成
wakeup時のコールバックルーチンは
.func = autoremove_wake_functionが設定される。
2. prepare_to_wait().func = autoremove_wake_functionが設定される。
指定WaitQueueにエントリを追加
set_current_state()で状態を変更
(通常はTASK_INTERRUPTIBLE or TASK_UNINTERRUPTIBLE)
3. schedule() - プロセス切替え(ブロック)set_current_state()で状態を変更
(通常はTASK_INTERRUPTIBLE or TASK_UNINTERRUPTIBLE)
4. finish_wait() - Wakeupされた時の後処理
__set_current_state(TASK_RUNNING)でプロセスをRunning状態にしている。
wakeup時のコールバックルーチンでWaitQueueからの削除は行われているのでここでは不要
各処理部でその1のような方法で止めたり、その2の方法で止めたりまちまち。その2の方が、Wakup後にWaitQueueからエントリの削除を行なう必要がないので多少楽。
プロセスのRunQueueからの削除はschedule()で行われている。
1.3 wait_on_bit()を使う場合
wait_on_bit()を使用すると指定Bitがクリアされるまでプロセスをブロックさせることができる。
wait_on_bit(word, bit, action, mode)はwordで指定した領域のbitがクリアされるまでブロックする。ブロック処理はactionで指定される関数で行う。modeはブロック中の割込み可否(TASK_INTERRUPTIBLE/UNINTERRUPTIBLE)を指定する。
起床する時はwake_up_bit()で起こす。1.1, 1.2のようにブロック前、起床後の繁雑な処理はいらない。
wait_on_bit()も実装はWaitQueueを使用している。Zone毎に汎用WorkQueueのハッシュがあり(zone->wait_table[ハッシュ値])、bit_waitqueue()でハッシュテーブルからWorkQueueを取得するしている。
2.止めたプロセスの起こし方
WaitQueueを使わずにtask_structのアドレスを保存しておいて止めた場合は、wake_up_process()でtask_structを指定すればよい。WaitQueueを使用した場合は、wake_up()でWaitQueueを指定すればよい。wake_up()には派生ルーチンがあるが、どれもマクロで__wake_up()を使用している(include/linux/wait.h)。
3.Wakeupの流れ
wake_up_process()処理
wake_up_process(&task) - 指定ProcessのWakeup try_to_wake_up() : SMP関連の処理 : activate_task() - プロセスをRunQueue rq->active に戻す プロセス状態をTASK_RUNNINGに設定
wake_up()処理
wake_up(&WaitQueue) - 指定WaitQueueの全プロセスをWakeup __wake_up() __wake_up_common() WaitQueueに連なっている各エントリのwakeup用 コールバック(xxx->func())を実行してプロセスをwakeup DECLARE_WAITQUEUE()で作られたエントリならば .func = default_wake_function try_to_wake_up() - プロセスをRUNNING状態へ <-- WaitQueueからは外されないので プロセス再開後、自前で外す必要がある DEFINE_WAIT()で作られたエントリならば .func = autoremove_wake_function default_wake_function()(デフォルトルーチン)を呼んで RUNNING状態にした後、WaitQueueから外す
これらのルーチンはプロセスをRunQueueにつないでRUNNING状態にするだけで、schedule自体は別途行なう。
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WaitQueue