Linux Kernel(2.6)の実装に関するメモ書き
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カーネル空間のメモリマップ


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カーネルは0xc0000000以降の約1GBのアドレス空間を使用する(図1)。

この領域は物理ページ#0から順番に固定的にストレートマップされている。



図1 メモリマップ


カーネル空間のPageDirectory

このストレートマップしているPageDirectoryはswapper_pg_dirに格納されている。立ち上げ時に初期化される。

カーネル空間のアドレスマップの作成
arch/i386/mm/init.c
paging_init()
pagetable_init()
:
kernel_physical_mapping_init(swapper_pg_dir)
カーネルアドレス空間(0xc0000000〜)を物理メモリへストレートマップ
(max_low_pfnページ分をマップ)
<--全物理ページ分

swapper_pg_dirの先にPageDirectoryが作成される。

swapper_pg_dirをCR3に設定してストレートマップ完了


各プロセスPageDirectoryへのコピー

各プロセスのPageDirectoryにもカーネル空間(0xc0000000-)のマップが入っていて、システムコールを発行してカーネル内に入って来た時でも、プロセスのPageDirectoryをそのまま使えるようになっている。

カーネル空間のマップの設定契機

pgd_alloc()内のkmem_cache_alloc()でPageDirectory用の領域を確保するときにコンストラクタpgd_ctor()が呼ばれてそこで設定されている。
pgd_ctor() - pgd_cacheのコンストラクタ
swapper_pg_dirから0xc0000000以降のエントリを
確保したPageDirectoryの該当部分にコピー
<-- PageTableはinit_mmと同じものを使用することになる

マップが固定の部分はこれで良いが、vmalloc()のようにあとからマップが変わる部分は各プロセスのマップをどのように更新する?

1. vmalloc()した時点でinit_mm.pgdにはPDE,PTEが設定される。
2. 各プロセスのコンテキストでVMALLOC領域にアクセスした時、ページフォルトが発生
3. do_page_fault()::vmalloc_fault:でinit_mmの該当PDEを
プロセスコンテキストのPDEにコピー(set_pmd()マクロ)して、ページにアクセスできるようになる。(PageTableはinit_mmと共用することになるのでPTEの更新は不要)

逆に領域解放時は同期できる? (ごみが残ったりしない?)

1. vfree()してもPDEは更新しない。PTEをクリアするのみ。
2. PageTableは共用しているので、どのプロセスのコンテキストからもページへのアクセスはできなくなる。


[参考]
init_mm - カーネルが使用するmm_struct
コンパイル時にINIT_MM()マクロで初期化されている。
init_mm.pgdには上記のストレートマップしたPageDirectory(swapper_pg_dir)のアドレスが格納されている。

vmalloc()の領域で確保された領域はここで管理される?


swapper_pg_dirの中身
0xc0358be0 <swapper_pg_dir+3040>: 0x00000000 0x00000000
0x00000000 0x00000000
0xc0358bf0 <swapper_pg_dir+3056>: 0x00000000 0x00000000
0x00000000 0x00000000
0xc0358c00 <swapper_pg_dir+3072>: 0x000001e3 0x004001e3
0x008001e3 0x00c001e3
0xc0358c10 <swapper_pg_dir+3088>: 0x010001e3 0x014001e3
0x018001e3 0x01c001e3
0xc0358c20 <swapper_pg_dir+3104>: 0x020001e3 0x024001e3
0x02bfe163 0x02ffe163

[関連ページ]
アドレス空間の管理


最終更新 2006/07/03 20:02:56 - kztomita
(2006/07/03 19:18:38 作成)
添付ファイル
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